おもしろい本を読んだ。
ほんっと、おもしろかった!!
もとはハードカバーの一冊の本だそうですが、なんでそれが出たときに読んでおかなかったんだろう!
『童話物語』
(上・大きなお話の始まり、下・大きなお話の終わり)
(幻冬舎文庫/向山貴彦・作、宮山香里・絵)
舞台はクローシャ大陸。
13歳のペチカは貧しい南クローシャのトリニティーに一人で暮らしていた。
やさしかった母は6歳の時に亡くなり、教会で働いている。
教会の守頭は情け容赦のない大柄な女で、
ペチカは他の教会で働く子どもたちにもいじめられ、
どうにか生き抜いていくために、屈折したいやな女の子になっていた。
クローシャには「妖精の日」伝説があった。
妖精は不死で永遠のシャボン玉の中に住んでいる。
人間が存続するに値しないと判断された時、
妖精が天から降りてきて、
金色の雨を降らせ、人間を滅ぼすだろう。
そんな伝説が、あった。
ペチカはある日、偶然、妖精に出会ってしまう。
それが、長い長い、ペチカの旅の始まりだった・・・。
*******
感動しました・・・
ひさしぶりに長い本を読んだのですが、おもしろくてやめられなくなってしまいました。
まず設定の細かさ。
宗教から歴史、文化まで、設定がやたら細かく作られていて、
どこにもきちんと裏がとってあるのです。
町のなりたちや、植物の名前にも、きちんと背景があって、徹底した設定になっていて、
なおかつそれが自然に記述されていて、
どっぷりクローシャにひたることが出来ました。
天まで到達しようとする「天界の搭」。西には世界の果てがあるのか?
その謎も気になってやめられなくさせられます(^^;
設定を読んで行くと、もっとさらにこの世界の謎を解き明かしたくなって、
いや、この謎を考えたくなって、
さながらエンデの『はてしない物語』で「これはまた別の物語」と言われたときのように想像が膨らんでしまいます。
人間描写も魅力的。
ペチカの性格の悪さにも容赦がなく、同情を煽るようでもなくて、感情移入できるし、
周りのいじめる子どもたちの気持ちも、ルージャンを通して理解できたし、
いわゆる「悪役」たちも、ただ純粋な悪ではなくて、なんで悪になったかも語られていて、安心しました。
(納得がいかなかったのは守頭。なんでそこまで追いかけて来るんだ?)
宮崎駿の『風の谷のナウシカ』の漫画版を読んだときと同じような感動を覚えました。
ただ優しい妖精が出てきて、貧しい女の子が更正していく、なんて単純な話ではなく、
人間の負の面を増幅させる魔法の石や、
不死の妖精と死のある人間がお互いの「死」「不死」を恐れたり、
奥も深いのです。
うーん、このおもしろさをネタバレせずに語るのは難しい(--;
この興奮を、たくさんの人に広めたい気分です。
ほとんどお気に入り度に基づいた評価:10(上の上)
ほんっと、おもしろかった!!
もとはハードカバーの一冊の本だそうですが、なんでそれが出たときに読んでおかなかったんだろう!
『童話物語』
(上・大きなお話の始まり、下・大きなお話の終わり)
(幻冬舎文庫/向山貴彦・作、宮山香里・絵)
舞台はクローシャ大陸。
13歳のペチカは貧しい南クローシャのトリニティーに一人で暮らしていた。
やさしかった母は6歳の時に亡くなり、教会で働いている。
教会の守頭は情け容赦のない大柄な女で、
ペチカは他の教会で働く子どもたちにもいじめられ、
どうにか生き抜いていくために、屈折したいやな女の子になっていた。
クローシャには「妖精の日」伝説があった。
妖精は不死で永遠のシャボン玉の中に住んでいる。
人間が存続するに値しないと判断された時、
妖精が天から降りてきて、
金色の雨を降らせ、人間を滅ぼすだろう。
そんな伝説が、あった。
ペチカはある日、偶然、妖精に出会ってしまう。
それが、長い長い、ペチカの旅の始まりだった・・・。
*******
感動しました・・・
ひさしぶりに長い本を読んだのですが、おもしろくてやめられなくなってしまいました。
まず設定の細かさ。
宗教から歴史、文化まで、設定がやたら細かく作られていて、
どこにもきちんと裏がとってあるのです。
町のなりたちや、植物の名前にも、きちんと背景があって、徹底した設定になっていて、
なおかつそれが自然に記述されていて、
どっぷりクローシャにひたることが出来ました。
天まで到達しようとする「天界の搭」。西には世界の果てがあるのか?
その謎も気になってやめられなくさせられます(^^;
設定を読んで行くと、もっとさらにこの世界の謎を解き明かしたくなって、
いや、この謎を考えたくなって、
さながらエンデの『はてしない物語』で「これはまた別の物語」と言われたときのように想像が膨らんでしまいます。
人間描写も魅力的。
ペチカの性格の悪さにも容赦がなく、同情を煽るようでもなくて、感情移入できるし、
周りのいじめる子どもたちの気持ちも、ルージャンを通して理解できたし、
いわゆる「悪役」たちも、ただ純粋な悪ではなくて、なんで悪になったかも語られていて、安心しました。
(納得がいかなかったのは守頭。なんでそこまで追いかけて来るんだ?)
宮崎駿の『風の谷のナウシカ』の漫画版を読んだときと同じような感動を覚えました。
ただ優しい妖精が出てきて、貧しい女の子が更正していく、なんて単純な話ではなく、
人間の負の面を増幅させる魔法の石や、
不死の妖精と死のある人間がお互いの「死」「不死」を恐れたり、
奥も深いのです。
うーん、このおもしろさをネタバレせずに語るのは難しい(--;
この興奮を、たくさんの人に広めたい気分です。
ほとんどお気に入り度に基づいた評価:10(上の上)
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